eSIMと物理SIMカードの違いとは？

現在、多くのモバイル通信事業者は、物理SIMカードまたはeSIMと呼ばれるデジタル形式でプランを提供しています。これら2つの技術はどのように機能し、どのように異なるのでしょうか？日常生活や旅行中に便利なのはどちら？専門家があなたの疑問にお答えします。

SIMカードとeSIMの仕組みとは？

eSIMと物理SIMの違いに入る前に、まずこの重要なコンポーネントがモバイル通信で果たす役割を理解しておくことが大切です。

SIMカードの役割とは？

SIMカードは、モバイルネットワークの利用者情報を保存するためのICチップ付きカードです。ユーザーの接続情報、ネットワーク設定、連絡先リストなどのデータを保存するためのマイクロコントローラーとメモリを搭載しています。専用スロットに差し込んで使用し、簡単に取り出して別の端末に移すことが可能です。

SIMはSubscriber Identity Module（加入者識別モジュール）の略称です。SIMカードには、IMSI（International Mobile Subscriber Identity）と呼ばれる一意の識別子が含まれており、ネットワークがユーザーを認証するために使用します。つまり、SIMはモバイルネットワークに接続し、通信するために欠かせない部品です。

SIMカードにはさまざまなサイズ・形式があり、時代と共に進化してきました：

● 標準SIM：1991年に登場したオリジナルのサイズ（2.5 x 1.5cm）。現在はほとんど使われていません。

● ミニSIM：1990年代半ば〜2010年代半ばまで使われた形式。

● マイクロSIM：2003年登場。1.5 x 1.2cmで、スマートフォン時代の標準。

● ナノSIM：最新かつ最小（1.2 x 0.8cm）の形式で、現在もっとも一般的。

eSIMの仕組みは？

2016年に登場したeSIMは、最新のスマートフォンに組み込まれているデジタルSIMカードです。eSIMはembedded SIM（組み込みSIM）の略です。あらゆる通信事業者や加入者の情報で設定できるため、グローバルに利用可能です。

仕組み自体は従来のSIMカードと同じですが、情報はチップではなく、スマートフォンにダウンロードしてインストールされます。この情報はeSIMプロファイルと呼ばれます。端末を変更する際は、新しいデバイスに再ダウンロードすればOK。最大5つのeSIMプロファイルを1台に保存できます。

eSIM対応デバイスは？

2020年以降に発売されたほとんどのスマートフォンはeSIMに対応しています。この技術はタブレット、ノートパソコン、スマートウォッチ、車載通信にも採用されています。

ほとんどのeSIM対応スマートフォンは物理SIMスロットも備えており、両方の利用が可能です。

eSIMと物理SIMは同時に使える？

はい、物理SIMとeSIMの併用が可能です。1台の端末で2回線を管理できるため、例えば音声・SMSは物理SIM、データ通信はeSIMといった使い分けが可能です。旅行中に便利です。

すべての通信事業者がeSIMに対応している？

従来は物理SIMが唯一の選択肢でしたが、eSIM対応機器の普及により、多くのキャリアがeSIMと物理SIMの両方を提供するようになりました。どちらを選ぶべきか、それぞれの長所と短所を知っておきましょう。

物理SIMとeSIM：メリット・デメリット比較

両方にそれぞれ利点と欠点があり、用途によって選び方が変わります。

物理SIMのメリットとデメリット

物理SIMは現在でも主流であり、すべての携帯電話と互換性があるという利点があります。

また、簡単に端末間で差し替えが可能で、マルチサイズSIM（ミニ・マイクロ・ナノ）もあるため使いやすいです。

一方で、プラスチックや金属素材の製造が必要で、配送・CO₂排出があり、利用開始まで数日かかるのが欠点です。

eSIMのメリットとデメリット

eSIMは製造も配送も不要で、環境負荷が小さく、即時にアクティベートできるのが最大のメリットです。

複数の回線を1台で管理したい人、仕事とプライベートを分けたい人、旅行者や国境を越えて利用するユーザーに最適です。多くの事業者が海外向けeSIMプランを提供しています（例：UPeSIM）。

SIMとeSIM、どちらを選ぶべき？

どちらを使うか迷っている方のために、選び方のポイントをご紹介します。

物理SIMを選ぶべき人とは？

eSIMの方が便利に思えるかもしれませんが、テクノロジーに不慣れな人や、スマートフォンを使わない人には、物理SIMがより適しています。たまにはオフラインも大切！

日常でeSIMを使うべき理由

すぐにプランを切り替えたいスマートフォンユーザーにとって、eSIMは最適。ワンタップでプラン変更ができる柔軟性が魅力です。

複数のデータプランを持ちたい方、国内用と海外用を分けたい方にも最適です。

なぜeSIMは旅行に最適なのか？

多くの通信事業者がeSIMの旅行向けプランを展開しているのは、海外でインターネット接続するのに最も便利だからです。現地でSIMカードを探す代わりに、出発前にeSIMをアクティベートしておけば、到着後すぐに接続可能。ローミング料金なしでモバイルデータを使え、自分の番号もそのまま維持できます。WhatsAppなどで普段どおり通話・メッセージも利用可能。

UPeSIMでは、7日・10日・30日プランを用意しており、旅行スタイルに合わせて選べます。200以上の渡航先の中から選んで、旅の準備を始めましょう！